ワトソン
photo by nikkei.com

最近、クイズや囲碁で人間がAI に負けた、ということがニュースになっていましたね。AI はどんどん進化しているように見えます。でも実際はどうなんでしょう?結局「進化」したのは「記憶力」と「検索」だけ!?『ワトソン』と『AlphaGo』の能力を検証します!!

スポンサードリンク

『ワトソン』は数百万冊分!?『AlphaGo』は3000万局分!?人間を遥かに超えた「記憶力」!!

2011年の2月、『ワトソン』というプログラムがクイズ番組に出場しました!
機械が出場できるのにも驚きですが、優勝賞金も手にしたというからスゴいですね。

ネットで「検索」すれば、探せない情報なんてないくらいの現在。ネットにつなげば答えられない問題なんてなさそうですよね。

でも、製作者サイドが「不公平」になるからと、内部データのみでの勝負を挑みました。
内部データは百万冊もの百科事典などのデータを読みこんで作り上げました。

『ワトソン』君がクイズ番組に出場するまで数年の歳月が必要であり、それだけの膨大なデータを読みこますのは大変だったでしょう。
そして「記憶力」では確かに人間をはるかに超えています。

でも生身の「脳」で勝負している他の人間の出場者からしたらちょっと「ズルい」と感じてしまうんじゃないでしょうか?
辞書を持ち込んでいるようなものですからね。

そして、囲碁で初めてプロ棋士に勝利した『AlphaGo』は少なくとも3000万局分のデータを持っていたそうです。

そのデータの中から「今」の石の位置などを照らし合わせて、同じ局面で勝利している時と同じ位置に石を置くのです。
もはや勝って当然ですよね!

「検索」はAI の得意技!!人間をとっくに追い越しています!

AI が人間に勝てた要因は「記憶」だけではありません。
コンピューターの得意技の「検索」も要因でした。

クイズ番組では、答えとなる情報を内部データから3秒ほどで「検索」していたそうです!
人間が辞書で調べるよりもはるかに速いですよね。

囲碁の試合では過去のデータから同じパターンの棋譜を探し、勝った時と同じように石を置きます。
人間でも、過去の対戦の経験を参考にする棋士もいるでしょうが、3000万局以上の中から勝利パターンを「検索」するなんて、なかなかできることではありません。

コンピューターなんだから当然「検索」能力はスゴいのですが、それをクイズや囲碁の勝負で使うとは、人間としては使用禁止にしたいくらいの能力ですね。

スポンサードリンク

AI の「記憶」と「検索」の能力はスゴいけど、本当に人間は「知能」で負けているの?

AI対プロ棋士
photo by wired.jp

クイズにしても囲碁にしても人間は負けていますが、実はこれ「AI 」が「AI 」 としてスゴいわけではないんです。

クイズ番組に出場した『ワトソン』について製作者は「AI 」 ではなく「質問応答システム」と説明しています。
なぜなら、自分で思考しているのではなく「検索」しているからです。

出題された問題のテキスト(ワトソン君は音声認識できないため問題はテキストで出された)を内部データから「検索」しています。

答えとなる単語は自分で抽出しているようですが、「知能」というには低いようです。
また、入力されたデータ以上のことは答えられないという欠点もあります。
たとえネットにつながっていたとしてもネットにないことは答えられません。

そして『AlphaGo』もデータから「検索」しているだけで、自分で考えているわけではありません。
AlphaGoは囲碁のやり方を「学習」した後は、AI 同士でランダムに石を並べながら対戦して勝利パターンのデータを作ってそのデータの通りに試合をします。

そのためランダムに打った手がかなりの「悪い」手だったとしても、勝利してしまえば「勝利パターン」の1つとして記憶してしまいます。

そして「記憶」と「検索」はAI というよりもコンピューターの得意技です。
二十年も前のワープロも、人間よりもはるかに「記憶」力がありました。
今では1枚のディスクに膨大な量のデータを「記憶」させることができます。

「検索」についても電子辞書も昔からあるし、「Google」や「Yahoo!」の検索も有名です。

つまりAI ではなく、機械が進化しているのです。
その機械を作り出しているのが人間なのです。
また、スピードにこだわらないなら、機械がなくてもできます。

膨大な量の紙が必要になりますが「記憶」は紙に書けばいいし「検索」は調べればいいのです。
時間はかかりますが、クイズでも囲碁でも、紙の資料や検索できるコンピューターを使って勝負したら人間でも『ワトソン』や『AlphaGo』に勝てます。

効率がいいからコンピューターに代行させていますが、人間でも可能なことですし、世の中には、本当にものすごく記憶力がいい「人間」も存在します。

それらのことを考えるとAI が人間を超えたとは言えないのではないでしょうか?
コンピューターの「記憶力」や「検索」の能力はたいていの人間を超えていますが、AI を「知能を持つ機械」とするなら、AI の「知能」はまだ人間よりもはるかに低いのです。

現在のAI というのは人間のように「思考」するレベルではなく、人間の「道具」の1つなのです。

石は人間よりも「固い」ですが、人間はさまざまな道具を使って太古の昔から加工して利用してきました。
そうでなくても石が人間を超えているなんて言わないでしょう?

AI が人間を本当に超えるのはまだまだ先になりそうです。
あるAIの専門家によると、あと百万年くらいかかるかもしれないということです!