黒石商工会議所会頭賞
photo by kuroishi.or.jp

最近、また悲しいニュースがありました。青森でいじめを苦に女子中学生が自ら命を絶ったのです。生前、彼女が写っていた写真がコンテストの最高賞に内定していたのですが、この事件を受けて内定が取り消されました。その時の家族の思いとは?そして家族がとった行動とは?

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コンテスト授賞で明るみになったいじめが原因の悲しい事件

ある夏祭りをテーマにした写真コンテストで、一人の少女の姿を撮影した写真が最高賞に内定していました。

撮影したのは青森県に住む男性。彼が被写体にしたのは笑顔で津軽手踊りを踊る少女。

しかしこの写真の内定はのちに取り消されてしまいます。

この少女が撮影の10日後、自らホームの列車に飛び込み命を絶ってしまったからです。彼女のスマホには「もう生きていけそうにないです。いじめてきたやつら、自分でわかると思います。二度としないでください」などといった遺書のようなものが残っていたといいます。

コンテストの主催者である実行委員会はこの事を受けて写真を内定から外したのです。

最高賞を受賞したとなれば、当然多くの人の目に触れる事になり、様々な憶測がでるのではないか・・と懸念したとの事です。

確かに、今のネット社会では話題になった写真の人物の身元などもすぐさまバレてしまいますし、実行委員会としては家族の心情も考慮しての判断だったのでしょうね。

常識的に考えても間違った判断ではないですよね。

事件後、写真の内定を家族は了承していた?

しかし、実行委員会と家族の思いはどうやら違うようです。

実は事件後、実行委員会は少女の家族に事情を説明し、授賞の承諾を得ていたのです。一度は写真を授賞で公表しようとしていたのですが、再度、協議された結果、内定は取り消されてしまったのです。

これについてはデリケートな問題なので実行委員会の中でも賛否両論があったのではないでしょうか。

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家族はなぜ自分の娘の写真と本名を公表したのか?

家族は授賞の内定が取り消された後、娘の名前と賞に選ばれた写真を公表しました。
きっとこの決断に至ったのにはいろいろな複雑な思いがあったと思います。

少女は葛西りまさん、青森県に住む中学生でした。

葛西りまさんの父親は「いじめられても笑顔だった娘の姿をみんなにみてほしい、もういじめはやめてほしい」と語っていました。

自分の愛する娘の最後の姿をずっと残しておきたい・・そしてみんなの記憶にも残しておきたい・・

表向きはこのような意味に聞こえますが、この言葉の裏には父親としての悲しみ、苦しみ、娘をいじめた子に対する怒りや憎しみもこもっているような気がしました。

「君たちは娘の笑顔を奪った。その事を一生忘れずに生きて行ってほしい」という怒りの思いを想像せずにはいられません。

今回の事件でたくさんの人が悲しい思いをしましたが、その中でも埋もれてしまいがちな一人の男性の気持ちを考えるといたたまれません。

今回の少女の写真を撮影し、コンテストに応募した男性です。同じ青森県内に住んでいるというこの男性、恐らく彼女と面識はなく、たまたま目についた少女に男性は魅かれてシャッターを押したのでしょう。

まさか、この少女がこの時いじめで悩んでいて、この10日後にあんな悲しい事が起こるなんて想像もしていなかったでしょう。

彼女の苦しみには身近に居た家族や友人も気づいてあげられなかった。いじめには気づいていてもまさか自ら命を絶つほど追い込まれていたとは思わなかったのかもしれません。

公表された彼女の写真(下)の笑顔を見るたびに締め付けられる思いになるのは残された家族だけではありません。
※上の画像は2016年黒石商工会議所会頭賞受賞作品

青森 葛西りまさん
photo by toonippo.co.jp

[追記]10月20日、黒石市の写真コンテストの実行委員会は、一度取り消した市長賞を復活させる意向で、りまさんの父親に謝罪しました。りまさんの父親が受賞を快諾することで、りまさんの写真は市長賞を受賞することになりました。