出典:水嶋昇他「健康・栄養食品研究」Vol.2 No.4 1999

文春砲、ではなく新潮砲炸裂!?なんと、週刊新潮がトクホの製品にく含まれているダイエットなどに効果があるという「難消化デキストリン」の効果がゼロとの記事を出し、世間に衝撃を与えました!でも、新潮砲も証拠不十分のようです。

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衝撃の新潮砲!トクホなのに効果なし!?

お茶にコーラにノンアルコールビールまで!
難消化デキストリンを含み、ダイエット効果が期待できるとされている飲み物はたくさんあります。そして、その中には「トクホ(特定保健用食品)」があって、大変な人気があります。

けれどこの度、週刊新潮は文春に負けずとばかりに衝撃的な記事を出しました。

それは週刊新潮の3月30日号で、千葉大学名誉教授の山本啓一氏(生理学・生化学)による、トクホの商品によく含まれている難消化デキストリンの脂肪の吸収を抑え、排出を増加させる。あるいは、血糖値の上昇を抑えるという効果はゼロだという記事です。

なんということでしょう!
今まで、普通のコーラよりも数十円高いトクホのコーラを買っていたことはムダなことだったのでしょうか?

例えば、難消化デキストリンの効果を示す論文があるのですが難消化デキストリンを摂取した場合、摂取しなかった場合に比べて2倍の量の脂肪が排出されたとなっています。

しかし、これを山本啓一氏は【数字上のゴマカシ】と断言しました。
排出されなかった脂肪の量の割合は、難消化デキストリンを摂取した方が97・4%で摂取しなかった方が98・6%。その差は1・2%であり、誤差の範囲であるとしています。

他の論文では、難消化デキストリンの摂取量が5グラムの場合は血中の脂肪の減少率が27・2%、摂取量が10グラムの場合は20・1%になっていて、摂取量が多いのに効果が下がっているのは【科学的にあり得ないこと】としています。

また、新しく発売されたトクホのコカ・コーラが、脂肪の排出を増加させるというキャッチコピーを使っていないのは消費者委員会新開発食品調査部会からその根拠の説明を求められた時に、それができなかったためだというのです。

本当に効果はないのか検証してみよう!

まず脂肪の排出量のことですが、実際に2倍排出されたのは確かなことですね。
体に吸収される割合が多いといっても、確かに2倍排出されているなら、効果なしということはないのではないでしょうか?

生物学の世界では誤差の範囲と言っていますが「そのこと」の根拠が示されていませんね。

また、難消化デキストリンの摂取量が増加しているのに、脂肪の排出量が減ったということについて【科学的にあり得ないこと】としています。
でも、被験者の状況によって変化があるのはありえることでしょうから、それを【あり得ないこと】と断言するのはいかがなものでしょうか?

また、コカ・コーラが「排出を増加させる」というキャッチコピーを省いたことについてですが、難消化デキストリンが含まれる食品については、トクホでないものも結構あります。

例えば、トクホのメッツコーラを販売しているキリンも「パーフェクトフリー」というノンアルコールビールでは、トクホではありません。

トクホは個別審査を受けなくてはならず、時間と費用がかかります。

なので、すでにメッツコーラのキリンなどに差をつけられていたコカ・コーラが、再び実験結果を提出して審査を受けることよりも、キャッチコピーを減らしてでも、早くトクホのコカ・コーラを発売したいと考えたとしても不思議ではありません。
コマーシャルなど、広告の準備もしていたでしょうからね。

また、難消化デキストリンの効果は先に発売された商品により、多くの消費者が知っているだろうから、省略しても大丈夫だろうと考えたのかもしれません。

効果ゼロの根拠もなかった!?

さて、それでは「難消化デキストリンに効果はない」ということの根拠となるような論文は、何かあるのでしょうか?

難消化デキストリンの効果を証明したとされる実験の中には、36人にうどん定食と難消化性デキストリンが5g入ったお茶と一緒に摂取させる、というものがあります。ふつうのお茶と一緒に摂取した時と比べて、血糖値の上昇が抑えられたのだとか!

それに対して、筑波大学の鈴木正成名誉教授と京都薬科大学講師の沼尾成晴氏が発表した2010年の「特定保健用食品の問題点 食後血糖値上昇を抑制する茶飲料の日常生活条件下での効果検討とダンベル体操との効果比較」という論文があります。

この論文は、難消化デキストリンの効果を示したという実験で食された「うどん定食」などの炭水化物がちな食事は日常生活とかけ離れており、もっとちゃんとした実験をしたというものです。

この実験は、早稲田大学スポーツ科学部に所属する『健常』な若い男女を被験者として行われました。ちゃんとした一般的な食事と、難消化デキストリンを摂取した場合と、難消化デキストリンを摂取しなかった場合、そしてダンベル運動した場合と比較しました。

結果は、難消化デキストリンの摂取によって「有意な差」はなく、ダンベル運動をした場合は血糖値の上昇率が低くなる傾向があったということで、トクホのお茶に血糖値の上昇率を下げる効果があまりなく、むしろ運動したほうが効果があるということでした。

けれど、難消化デキストリンについて「有意な差がない」としていますが、数値が出ていませんね。むしろ、ちょっとは差があったということですかね?

また、若く健康な人間を選んでいたり「うどん定食」を日常的ではないと断定していたり、結構、かたよった実験のように感じますね。むしろ、トクホの飲料を選ぶ人は、あんまり健康的な生活をしていない(と本人が感じている)人である可能性が高いはずですが…

それとも、運動はほとんどせず、朝食は菓子パン、ランチはパスタやうどんやラーメン、夜はレトルトのカレーやカップラーメン、なんて人間は存在しないと言うつもりでしょうか?

もちろん、ちゃんとした食事を食べて、運動したほうが体にいいのでしょう!当然すぎるほどに当然ですね。

でも、料理はめんどくさいし、運動をしたくないからトクホを手に取るのです!これもまた当然でしょう!これを当然じゃないと思える人は、もう「立派な」部類の人です!

この実験をした2人の専門家はスポーツ科学の専門だったこともあり、不健康(だと本人が思っている)人が頼りにするトクホについての実験としてはちょっと不十分ではないでしょうか?

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結局、難消化デキストリンに、効果はある?

結局、実験結果が改ざんされていた、とかはなかったですね。
山本啓一氏は数値が低いと言っていますが、どの程度なら「効果がある」のか、またその根拠となる論文なども示されていません。

難消化デキストリンは、ものすごく健康的な人には効果は薄いのかも知れませんが、不健康な人間が「少しでも健康に近づけるなら」と飲むことが全くの無意味だとは言えないのではないでしょうか?

数値が低い、といっても確かに何らかの実験結果により、有用性が認められているのですから。

それに、そもそも難消化デキストリンは、日本人の食生活が欧米化し食物繊維の不足してきたのを補うために作られました。

安全性はとても高く、他のミネラルやビタミンなどの吸収を妨げないどころか、Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、Fe(鉄)、Zn(亜鉛)の吸収を促進すると言われています。

また、便のやわらかさを保ち、便量を増やすなど整腸作用があるといわれています。これも、人間の実験により明らかになっていることです。

なので、害はないようだし、多少は何らかの効果はある可能性があります。野菜を毎日、必要だとされる量を摂取できていないなら、たまには普通のコーラよりも数十円高いトクホのコーラを買ってみてもいいのではないでしょうか?

ただ、新潮。
「やっちゃった」感がありますね!
文春がスゴすぎて焦っていたのでしょうか?