一つの中国 トランプ
photo by bbc.com/japanese

ドナルド・トランプ次期大統領の「一つの中国にこだわらない」との発言が世界で話題になっています!中国との取り引き材料にするだけという意見もありますが、トランプ氏は本当に「一つの中国」を無視するの?アメリカにどんなメリットがあるのでしょうか?

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トランプ氏の発言の撤回に躍起になるホワイトハウス!

始まりは、次期大統領であるトランプ氏と台湾の蔡英文(さい えいぶん)総統が電話会談を行ったことでした。そしてその後、ツイッターで「一つの中国にこだわらない」と発言しました。

アメリカは中国(中華人民共和国)と国交正常化してから、台湾(中華民国)を国家として認めない「一つの中国」政策を支持してきました。

そのため、約40年の間、アメリカの大統領と台湾の総統が会談することはありませんでした。
中国を怒らせないためです。

そしてホワイトハウスは、トランプ氏の発言の後に、中国に「一つの中国」政策を尊重することをあらためて伝えました。

この会談について、アメリカの議員の1人は、会談は偶発的なものだと言ったりしていました。あるいは、ただの大統領選挙勝利に対するお祝いで、政治的な意味はないものだと言う人もいました。

なんとかトランプ氏のうっかりミスということにしたい。政治的な行動ではないということにしたかったのでしょう。

けれど後から、トランプ氏と台湾総統との電話会談は計画的に行われたと報道されました。トランプ氏は、台湾総統と会談することの意味を理解して、政治的な会談をしたというのです。

トランプ氏が大統領に就任したら、「一つの中国」を否定する可能性があるのです。

ただ電話会談の後、トランプ氏が中国の批判をして

『通商を含めて色々なことについて中国と取り引きして合意しない限り、どうして『一つの中国』政策に縛られなきゃならないのか分からない』

と発言したため、いくつかの自動車会社にしたような言葉だけの脅しだ、と見られたりしています。

本当にそうなんでしょうかね?

「一つの中国」を無視するメリットは何?

トランプ氏が台湾を認めることが、ただの脅しではないとするなら、アメリカにとってそれは何らかの利益があるはずです。それはなんでしょう?

最初に「一つの中国」問題についてですが、中国(中華人民共和国)と台湾(中華民国)は、もともとは中国大陸の覇権を争っていました。

ただ今では、どう考えても台湾の物量では中国に勝てないでしょうし、アメリカもそう思っていないでしょう。なので、とりあえず「台湾の独立」で得られるメリットについて考えてみます。

まずは、中国に対して経済的なダメージを与える可能性があります。領海が失われたら、漁業だけでなく、海底の資源にも手を出せなくなります。

トランプ氏は、選挙に勝利する以前からずっと中国を批判してきました。
そのため、アメリカの国益になるかどうかは別にして、中国の力を削ぐためにと考えているのかもしれません。

また、南シナ海で騒動を起こしている中国を牽制するためかもしれません。
台湾が独立したら、中国はその分の領海を失うだけでなく、最悪の場合は台湾に米軍基地ができてしまうかもしれません。

そうなったら、韓国に設置しようとしているTHAAD(対北朝鮮用迎撃ミサイルだが、中国からも反発があった。)よりも中国に近い場所にアメリカ軍が滞在することになります。中国にとっては嫌なことですよね。

あるいは、台湾に武器を買ってもらうつもりなのかもしれません。トランプ氏は「台湾はアメリカから武器を買っている」などとも発言していました。

ただし、中国を怒らせないために、一部の武器の売却を中止にしたようなこともあったようです。そのため、中国をまったく気にせず、武器の輸出をしたいのかもしれません。アメリカで兵器産業は重要なものですからね。

これらを実現するために、台湾を独立させるつもりなのでしょうか?

けれど、すでにアメリカには台湾関係法という法律があります。台湾関係法とは、アメリカと台湾の、事実上の軍事同盟です。

そのため今、すでにアメリカの武器を台湾に輸出できる状況なのです。また有事の際は、台湾のために派兵することさえできます。

他の内容も

『1979年以前の(かつて中華民国として認識していた)台湾とアメリカ合衆国との間のすべての条約、外交上の協定を維持する。台湾を諸外国の国家または政府と同様に扱う』

など、すでに「一つの中国」に反するようなものがあります。

アメリカにとって中国はすでに輸出入において、重要な国になっています。
それなのに今、中国を怒らせてまで、これ以上わざわざ台湾を独立させる意味があるのでしょうか?

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中国と取り引きするつもりはある?トランプ氏の本当の目的!

多くの識者が、トランプ氏の発言は、中国にアメリカの要求を飲ませるためのカードだと考えています。つまり「一つの中国」なんて本当はどうでもよくて、中国に譲歩させたいだけなのだと。

トランプ氏は、ただ電話に出て、あるいはツイッターで発言するだけで中国と有利に取り引きができたら、たしかにちょっとお得ですよね。アメリカの国益にもなります。

本当にダメそうでも正式な書類ではないし、今はまだ「次期大統領」です。そう考えると、トランプ氏は物凄い策士なのかもしれません。

ただ、トランプ氏はあまり深く考えていない、あるいは不勉強であるがゆえの発言で「失敗」だったと考えている人もいます。どちらもありそうで、ちょっと恐いですね。