ピコ太郎 商標
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世界的にも超有名になっている『PPAP』ですが、なんと、それが赤の他人に商標権を出願されたというニュースが話題になっています。どうして他人が『PPAP』の商標を出願することができるのでしょう。ピコ太郎さんは『PPAP』を歌えなくなってしまうのでしょうか?

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赤の他人がPPAPを商標出願?どうなってるの?

2017年1月、ピコ太郎さんとも、エイベックスともまったく関係のない大阪のベストライセンスという会社が『PPAP』の商標登録を出願していることがニュースになりました。

商標登録とは、その商標が使われている商品を購入する側からしたら、品質などの価値を保証してもらうものです。
そして、販売する側からしたら、他の会社の商品との差別化をはかったりする効果があります。

つまり、ものすごく売れてる、人気のブランドの商標、つまり、ロゴだとかブランド名を他の会社に使用さないことで、消費者とブランドの両方を保護することが目的です。

時々、ニセブランドが摘発されていますが、これは商標権を侵害しているからなんですね。

じゃあ、どうしてまったく権利がないはずの会社であるベストライセンス社が商標を出願しているのでしょう?

念のためですが、ベストライセンス社が出願している『PPAP』は、偶然にアルファベットが一致しただけではなく、ピコ太郎さんの『PPAP』のことです。

なぜなら、ベストライセンス社は『ペンパイナッポーアッポーペン』も商標出願しているからです。

明らかにピコ太郎さんの側に権利があるはずなのに、なぜベストライセンス社が商標を出願しているのかというと、日本の商標登録に関する特徴として、先に出願を出した者に権利があるとされているからです。

これは、先願主義と言って、同じような商標が出願された時のために、明確な判断基準として定められていることなんです。
また、先に出されているもののほうが「オリジナル」だろう、との「常識」があるためですね。

でもまさか、まったくの赤の他人が商標を出願しようとは!!

2016年、世界的に『PPAP 』がヒット、ギネス世界記録に認定、紅白歌合戦出場(歌手としてではない)、CDの発売と、自身も驚きっぱなしだというピコ太郎さん。2017年も、大変そうですね!

もうピコ太郎さんはPPAPを 歌えないの?

では、ピコ太郎さんは、もう『PPAP』を歌えなくなってしまうのでしょうか?あるいは、『ベストライセンス』に使用料を払うことになるのでしょうか?

そんなことはありません。

商標は、保護されるべきブランドや創造者を保護し、消費者が代金を支払うべきブランドや商品を適切に選択できるようにするためのものです。

『PPAP』についても商標が出願されていることが話題になっていますが、まだ出願されているだけで、特許庁は登録を許可しないであろうと言われています。

なぜなら、『PPAP』が最初にユーチューブに投稿されたのは2016年の8月25日であり、9月には世界で話題になっていました。

どう考えても、オリジナルはピコ太郎さんであり、権利はピコ太郎さん本人か、彼と契約している会社(エイベックス)のものであるからです。

それだけでなく、ベストライセンス社は、以前から特許庁からも要注意会社として睨まれており、特許庁では2016年5月17日に【自らの商標を他人に商標登録出願されている皆様へ(ご注意)】と注意を呼びかけています。

もう、目をつけられちゃってたんですね!

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商標出願をしたベストライセンス社の意図は?

問題となっている会社、『ベストライセンス』の社長さんである上田育弘氏は、テレビのインタビューに目的について答えていました。
これによると、新しいビジネスモデルのため、ということです。

でも、これって実は「新しいビジネス」ではないんです。
トロールビジネスとか、パテント・トロールと呼ばれているもので、1990年代頃にはすでにこの名称が使われていたようです。

最初からコケちゃってますね。
元弁理士だから、まさか知らなかったワケではないのでしょうけど、何で「新しい」なんて言ったんでしょうね?
言い逃れのためについ言っちゃったんでしょうか?

ちなみに「トロール」とは、地下に住む怪物のことで、日の光のあるところではできない、まっとうではないビジネス、ということですね。

他にも「特許搾取者」 (patent extortionist)、「特許寄生虫」 (patent parasite)などと呼ばれていて、悪いイメージがあります。

「特許投機家」 (patent speculator) という呼び方もありますが、ベストライセンス社は、これを狙っていたのでしょうか?

ただこれらは、特許や商標の取得者が権利を放棄した時などに安価で買い取り、必要としている企業などに売る、というスタイルが主です。
これなら、確かにビジネスっぽいですよね。

でも、ベストライセンスは、有名になったモノならなんでも、本来の権利者になるであろう人物や企業からの許可を得ず、片っ端から商標出願を出しているそうです。

まるで、農家の人が一生懸命作った農作物を盗んで販売するような感じですよね。

2015年は、ベストライセンス社と上田育弘氏で、合わせて約1万4700件以上の出願がされたそうで、これは日本で出された商標出願の一割近くになるそうですよ!

上田育弘氏(ベストライセンス社)が出願した中には「リニア中央新幹線」「民進党」「じぇじぇ」「やられたらやり返す」などの流行語も出願されたそうです。

絶対に許可が降りそうにないのですが、実際はどうだったのでしょう。

実際には、これまでにベストライセンス社および、上田育弘氏が取得できた商標は5つのみだったそうです。

まぁ、当然と言えば当然ですね。特許庁の職員たちが、ちゃんと働いている証拠です!

その上、本来商標出願には、ある程度の費用が必要ですが、ベストライセンスはほとんどの場合においてそれを払っていないようです。

こんな調子でどうやって利益を上げるつもりなのかというと、例えば今回は、先に出願したベストライセンスの審査が終わらないとエイベックスの審査が始められないんですね。

それで、早く商標を取得しようとしたり、企業イメージが傷つくとこを恐れた企業と取引をして金銭を得ようとしていたと考えられます。インタビューでも、エイベックスと取引をするつもりだと答えていましたしね。

つまり、ゴタゴタするのが嫌なら取引しよう、というスタンスですね。
相手が乗って来れば一儲けできるし、そうでなくても別に罪を犯しているわけではないので、傷にはなりません。

まったく、いい商売ですよ!!

そう、商標を出願することは、明らかに他人に権利がある場合でも、犯罪ではないんです!なんて巧妙な手口でしょうか!!『これって罪じゃないの!?』と言いたくなりますよね!

でも、今回ばかりは相手が悪かったですね。
ピコ太郎の『PPAP』は世界的に超有名ですし、オリジナルがピコ太郎であることは誰もが知っていることです。

そして、エイベックスは音楽などを扱っている大会社で、マスコミへの影響力もあります。

なので、マスコミもエイベックスの援護射撃をしてくれます。
もうベストライセンスが、ろくでもない会社であり、上田育弘氏が弁理士の資格を剥奪されたという過去も。それなのに弁理士になるための講義をしていることも明らかにされてしまいました。

これまでのベストライセンス社の様子を見ても、それほど儲けがあるようには見えません。一年で1万件以上も出願をしておきながら、ほとんど利益になってないなんて、なかなかスゴいですよね。

その上、ベストライセンス社には上田育弘氏以外に職員はいないので、全て一人でやっていたのかと想像すると、むしろお疲れさまと言いたいくらいです!

もちろん、イヤミですよ!

本当に、これからどうやって収入を得るつもりでしょう。弁理士になるための講義は、もうできなくなる可能性があります。

ベストライセンス社の方も、これだけ騒動になったら、特許庁が本格的に対処を考えるでしょうから、もう商標を簡単には取得できないでしょう。

テレビのインタビューにも、お金が貰えるのか、と聞くくらいです。
もしかしたら、今ごろは真面目に働いていればよかったと、後悔しているのかもしれませんね!